まだら色になった妻

まだら色になった妻

結婚1年目でうつ病になった、気分も肌色もまだらな妻のブログ。たまに学生夫のこと。

【白斑ができるまで】について

前回までで、『白斑ができるまで』のお話は最後です。
今回は当時を振り返っての、私の今の気持ちとかを……


その後

白斑ができるまで6』で実家を出て以降、私は実家に戻ることはありませんでした。

家を出ることは、最後まで悩みました。

私は、大学入学時にも家から出る機会を得ながら、それを選びませんでした。すでに家庭内に不安を抱えていた私は、万が一家族に何かあったときは家にいたいと思っていました。そんな不安が見事的中するとは思いませんでしたが。

就職でも、家族への不安はずっとありました。

両親は、私の大学在学中にみるみる老け衰えていき、家を出るのは、このふたりを見捨てることと同義でした。

ですが、自分の人生を守るにはこれが最良だったと、今は言い切ることができます。

就職以降に起こった出来事も踏まえると、あのとき家を出ていなければ、ちょりとも長くは続かなかったでしょうし、白斑の拡がりが止まることもなかったかなと思います。


白斑とストレス(私の場合)

そういえば、『白斑ができるまで』と題したわりに、白斑のことよりも家庭内の出来事ばかりになってしまいました。私自身はわかっていてそうしたわけですが、白斑のことを読みたかった人には不満だったかもしれません。

私の白斑と家庭のストレスは切っても切れない関係です。というか、私の白斑は家庭内の出来事がなければできることはなかったと、今でも思っています。

そして、家庭の問題は、私の家だけの問題でもないのです。

大学在学中くらいから、幼い頃は知らなかった、親の過去を聞くことが増えました。父と母がそれぞれ育った家庭環境を聞けば、ふたりがこう育ったことを頷ける部分がいくつもあるのです。だから、誰かだけを一方的に悪者にすることもできませんし、その人だけを排してストレスがなくなるなんてこともありません。(『白斑ができるまで』の中で悪いことしか言ってない祖母も苦労している人です。)

自分は愛着障害なのかもなんて、自分の育ちを悲劇的に思っているのは事実ですが、それは弟も、そして父も母も一緒なんじゃないかと、最近はよく思います。

ストレスをなくす、なんて簡単に表現されますが、その根っこはあまりに深すぎて、どう掘り返したってなくせるもんなんかじゃありません。実際に起こった出来事を、自分の前から都合よく消すことなんてできません。

ぶっちゃけ、ストレスやストレスの原因があることは自明の理と認識した上で、表面上どう取り繕うかって言われた方がわかりやすいし、私はしっくりきます。


母のこと

母からは今でもたまに耳を疑うような言葉を掛けられますが、それでも見た目の上では良好な関係を維持しています。

それは、母へのどうしようもない愛情もあるけれど、母の努力も私は知っているから。

母は、今まで私が聞いてきた中でも特に特殊な環境を生きてきた人で、もっと捻じれていてもおかしくない人です。でも、ある程度の常識を持ち、祖父母や親戚に受けたこと全てを私や弟にしていないのは、母自身の努力だと思っています。

私が母の生き写しにならないよう抗って生きているのと同様に、母も抗って生きてきたんだと思います。

だから、私は母の可能性を信じないわけにはいかないんだろうな。


逃げること、割り切ること

私は「逃げる」ことを選び、それに後悔はありませんが、読んでいただいた通り、逃げきれているわけでもありません。逃げきることもできるのかもしれないけど、そのためにはもっと努力をしないと私は逃げきることを選べないんです。

努力して、その努力の先に割り切るという結論が出てきますが、そこまで行きついてないという感じでしょうか。

私の場合、家から出て実質的な距離を取るまでは割り切れていますが、全てを割り切るまでには至っていません。また、自分の幸福感としても、まだ努力し、模索することの方を選んでいるんだと思います。

白斑との付き合いも同じです。

隠さないほど割り切ることはできないけれど、鏡を見て号泣することも今はありません。治療も、昔の母の対応やあの医師の言葉を思い出すくらいなら治療をしないと割り切る方が、私には楽です。そして、治療を割り切ることで得られるお金を、美白や白髪染め、もしくは全く関係ない旅行とかに使うことの方が私には幸せなのです。

だから、きっとした方が良いだろうと自分でも思っている治療から、逃げています。

「逃げる」という選択肢を許容しつつ、それでもどこまで努力し、どこで割り切るのか。

面倒だけど、『うつ病』にもなった私はそのさじ加減が多分下手なんです。なので、自分で考え調整しないと、生きていけないんだと思います。




嫌なことも多かった日々を振り返るのは、やっぱり堪えますね。どうしても振り返っているうちに、当時の気持ちに引っ張られます。

一つ一つが長いなーと自覚もあったのですが、口数が多い性分なのと、できるだけ早く終わらせたいなーとも思っていました。

とりあえず、終わってほっとしてます。

しばらくは暗いお話はやめて、もう少し明るいことがお話しできればいいな。